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GLAN Tank に SlimServer を入れてみる
GLAN Tank に SlimServer を入れてみる
パソコンのハードディスクにある MP3 などの音楽ライブラリを聴くためには、通常 SlimServer ソフトウェアをパソコンにインストールします。しかし、これだと音楽を聴くたびにパソコンを起動するか、もしくはずっとパソコンを立ち上げっぱなしにする必要があります。そこで、現在各社から販売されている Linux で動作する NAS(ネットワーク接続ストレージ)デバイスを利用して、NAS 単体で SlimServer を動作させることに挑戦してみました。
家でも運用できる NAS の候補としては、
などがありますが、データをミラーリングできる点と、価格を考えて GLAN Tank を選びました。
まず GLAN Tank にはハードディスクが付属していないので、IDE ハードディスクを別途購入することになります。ドライブ動作時のピーク電流の関係で、Seagate の Barracuda シリーズは動作しないケースがあるということで、Maxtor の DiamondMax 10 6L300R0 (300G) を 2 つ購入しました。本体とあわせて 47,000 円くらいでしょうか。
インストールで若干敷居が高いと思われるのは、最初に CD-ROM からハードディスクへの OS のインストールをする際に、お手持ちのパソコンのケースを開けてハードディスクを直接 IDE コネクタに接続しなければならない点ですが、それ以外は単純な操作です。オンラインマニュアルにしたがって進めましょう。ハードディスクの設定モードは [MIRROR] を選んで、ハードディスクの障害時でもデータが消えないように備えます。
Samba のインストール
さて、GLAN Tank のセットアップが終わったら、まず手始めにファイル転送の使い勝手を良くするために、GLAN Tank に標準で動作している WebDAV ではなく Samba をインストールします。Samba を利用することにより、Windows や Mac からファイル共有がごく簡単にできるようになります。
まず GLAN Tank のデフォルトの IP アドレス http://192.168.0.201/ にブラウザでアクセス、admin でログインします。admin の初期パスワードは passward になっています。ウェブ設定で管理者パスワードを変更し、telnet を有効にします。
そして、192.168.0.201 に telnet で接続、admin でログインします。続けて、次のようにコマンドを実行します。
(スーパーユーザになる。初期パスワードは tmaster)
% su -
(スーパーユーザのパスワード変更)
# passwd
(apt-get 更新 ※2009年1月現在、sarge はアーカイブに移行しています)
# vi /etc/apt/sources.list
deb http://archive.debian.org/debian/ sarge main
deb-src http://archive.debian.org/debian/ sarge main
# apt-get update
(Samba のインストール)
# apt-get install samba swat
|
インストール中に表示される質問には、次のように回答します。
- ワークグループ/ドメイン名は何ですか? → WORKGROUP
- パスワードの暗号化を使いますか? → はい
- DHCP から WINS 設定を使うよう smb.conf を変更しますか? → いいえ
- どのように Samba を実行したいですか? → デーモン
- Samba パスワードデータベース /var/lib/samba/passdb.tdb を作成しますか? → いいえ
- Samba Web Administration Tool (SWAT) → 了解
次に、システムの設定を次の通り変更し、システム立ち上げ時に自動的に Samba と管理ツールの SWAT を起動するように設定した後、実際に起動します。
(/etc/services の記述の確認)
# cat /etc/services | grep swat
swat 901/tcp # swat
(/etc/inetd.conf の編集)
# vi /etc/inetd.conf
swat stream tcp nowait.400 root /usr/sbin/tcpd /usr/sbin/swat
(inetd の再起動)
# /etc/init.d/inetd restart
|
最後に http://192.168.0.201:901/ にブラウザでアクセス、root で SWAT にログインします。まず「GLOBALS」 タブで「Advanced」ボタンを押し、次のように設定します。
- dos charset : CP932 (Windows で扱われる文字コード)
- unix charset : UTF-8 (GLAN Tank で扱われる文字コード)
- display charset : LOCALE (Samba で表示される文字コード)
- workgroup : WORKGROUP (ワークグループ名)
- netbios name : GLANTANK (サーバ名)
- security : SHARE (共有モード)
- guest account : www-data (Samba でアクセスを行うユーザーアカウント)
設定が終わったら、「Commit Changes」ボタンを押して変更を確定させます。次に「SHARES」タグでは Create Share 欄に「share」を入力し「Create Share」ボタンを押して新しいシェアを作成します。そして、このシェアに対して次のように設定します。
- path : /share (共有フォルダのパス)
- read only : No (読み書きを許可)
- guest ok : Yes (ゲストユーザーのアクセスを許可)
- guest only : Yes (ゲストユーザのみにアクセスを許可)
設定が終わったら、「Commit Changes」ボタンを押します。最後に「STATUS」タブで「Restart All」ボタンを押して、Samba を再起動して完了です。Windows のエクスプローラなどで、ネットワークコンピュータのツリーの下に共有フォルダが見えているかどうか確認してみましょう。
SlimServer のインストール
さて、次はいよいよ SlimServer のインストールです。SlimDevices のソフトウェアダウンロードのページから SlimServer の最新版の「Perl Source Code (tar.gz)」をダウンロードして、GLAN Tank に転送します。そして telnet で GLAN Tank にログインして、次の通りにコマンドを実行します。
(スーパーユーザになる)
% su -
(slimserver グループの追加)
# groupadd -g 1001 slimserver
(slimserver ユーザーの追加)
# useradd -u 1001 -g slimserver -d /var/slimserver -s /bin/sh -c slimserver slimserver
(ディレクトリの作成)
# mkdir /var/slimserver
(所有者の設定)
# chown slimserver:slimserver /var/slimserver
(必要な perl モジュールのインストール)
# apt-get install perl perl-modules mysql-server-5.0 libhtml-parser-perl libxml-parser-perl \
libcompress-zlib-perl libdbi-perl libdbd-mysql-perl libdigest-sha1-perl libyaml-syck-perl libgd-gd2-perl
(slimserver ユーザーになる)
# su - slimserver
(SlimServer パッケージを展開)
% cd /var/slimserver
% gzip -dc SlimServer_v6.3.0.tar.gz | tar xvf -
(SlimServer の起動)
% cd /var/slimserver/SlimServer_v6.3.0
% ./slimserver.pl --daemon
|
これで完了。http://192.168.0.201:9000/ にブラウザでアクセスすると、SlimServer のメイン画面が表示されるはずです!
MediaTomb のインストール
DLNA サーバの MediaTomb もインストールしてみましょう。まずこちらのサイトから sarge 対応の deb ファイル mediatomb_0.10.0-1sarge1_arm.deb をダウンロードしておきます。
(必要なパッケージのインストール)
# apt-get install xxx
(MediaTomb のインストール)
# dpkg -i mediatomb_0.10.0-1sarge1_arm.deb
(自動起動の設定)
# vi /etc/default/mediatomb
#NO_START="yes"
NO_START=""
(config.xml の設定)
# /etc/mediatomb/config.xml
<server>
<name>GLANTANK</name>
<protocolInfo extend="yes"/>
</server>
<extension-mimetype>
<map from="mp4" to="video/mp4"/>
<map from="m4v" to="video/mp4"/>
<map from="mpg" to="video/mpeg"/>
<map from="mpeg" to="video/mpeg"/>
<map from="avi" to="video/avi"/>
</extension-mimetype>
<mimetype-contenttype>
<treat mimetype="video/x-msvideo" as="avi"/>
</mimetype-contenttype><import>
<autoscan>
<directory location="/share" mode="inotify" level="full" recursive="yes" hidden-files="no"/>
</autoscan>
</import>
(MediaTomb の起動)
# /etc/init.d/mediatomb start
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これで完了。http://192.168.0.201:49152/ にブラウザでアクセスすると、MediaTomb のメイン画面が表示されるはずです!
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